利益を減らさない税金対策テクニック
会社(企業)の経営をしている皆さん。1年,2年と苦労をかさねて、ようやく利益が安定してきたところで新たに「税金」という悩みが。日本の税金システムでは利益が増えるほど、業績が好調になるほど多くの税金を支払う必要があります。
「税金のために働いているようだ…」と、ちょっと納得できない方も多いのでは?適切な「税金対策」を行うことで、かかる税金を少しでも減らすことはできます。しかし、大抵の方は税金を減らしたいがために、会社の利益まで減らすことに。
そこで、今回は会社の利益を守りつつ、税金だけを減らせる「良い税金対策」のテクニックをご紹介しましょう。
▶︎目次
1.会社の利益を減らさないためには
「節税」「節税」、常日頃から皆さんが意識していることかと思います。ただ、いざ税金対策をしようにも、どこから手をつけていいか分からない方が多いもの。では、会社の利益を減らさないための、税金対策の基本からご説明しましょう。
税金対策の基本的な考え方
会社の税金対策でまず知っておきたい基本的な考え方が3つほどあります。
- 節税には「良い税金対策」と「悪い税金対策」がある
- 法人税と所得税のバランスの見直しから始める
- 親身になってくれる税理士(プロ)との関係を持つ
この段階では「ちょっと何言ってるのか分からない」という方も多いのでは?この後、各項目について詳しく説明していきます。ちなみに、「節税に良いも悪いもあるの?」と思った方は要注意。会社の利益を減らしてしまっているかもしれません。
「良い税金対策」と「悪い税金対策」
先述した通り、節税には「良い税金対策」と「悪い税金対策」があります。
良い税金対策
良い税金対策というのは”会社の利益を守りつつ、さらに将来的な法人税などまで税金対策できる”ものです。会社の税金というのは毎年、それこそ倒産するまでかかってきます。その年だけでなく、将来を見越した税金対策が必要です。
悪い税金対策
悪い税金対策というのは”会社の利益まで減らし、その年の税金対策にしかならない”ものです。典型的なのは「税金を減らしたいから、取り柄あえず経費を増やそう!」というもの。経費を安易に増やすと、利益までも減らしてしまいます。
法人税と所得税のバランス
会社の税金対策としてまず見直したいのが”法人税と所得税のバランス”。というのも、日本は個人事業主や家族経営の中小企業が大半を占める国です。つまり、社長や家族で”役員報酬”を使うことで一定の税金対策が得られます。
しかし、役員報酬には”所得税”がかかります。所得税は所得額によって税率が変わるものです。利益を守るためと、役員報酬を増やしすぎると所得税まで増えることに。法人税よりも所得税が高くなることもあるのでバランスが大切です。
2.良い税金対策のテクニック5選
先述した通り、良い税金対策とは”会社の利益を守りつつ、法人税などを抑えられる”ものです。少なくとも「経費を増やせばいい!」というものではありません。では、会社の利益を守る、良い税金対策のテクニック5選をご紹介しましょう。
不要な固定資産の処分
倉庫に眠っている固定資産はありませんか?
決算書には記載しているけど使っていない、またはすでに消費してしまった固定資産は”固定資産(廃棄・売却・除却)”によって利益から外すことができます。意外とどんな会社にも眠っている固定資産はあるので要チェックです。
将来に向けてに投資
「会社を〇〇のように発展させたい」と将来の展望はありますか?
機械設備や人材登用(育成)など、将来に向けて投資することで、法人税から一定額の控除ができます。例えば、1台あたり160万円以上の機会設備のように。投資は将来の会社の利益に、発展につながるものなのでおすすめです。
1年以内の費用の前払い
ここ1年以内に支払うべきものが溜まってはいませんか?
支払日が1年以内のものに対しては、まとめて前払いすることで今年度の税金を抑える効果があります。ただし、事業規模と比較して、あまりにも過大するぎる金額は対象外に。ちょっとした小技ですが、支払いも処理できて一石二鳥です。
保険類の見直し
会社や社員の福利厚生はどうなっていますか?
会社や社員に関わる”保険類”の保険料は一部、または全額を経費として計上できます。例えば、小規模事業者共済や生命保険、倒産防止共済なども。必要な保険であれば会社の、社員の利益を守ることにつながるのでいいです。
税理士との関係改善
税理士さんとの関係は良好ですか?
会社の税金対策でもっとも力強い味方になってくれるのが”税理士(税金のプロ)”です。ただ、大抵の方は税理士を十分に活用できていません。まずは契約中の税理士と相談し、プロのアドバイスを受けながら税金対策を進めましょう。
3.まとめ
今回は、会社の利益を守るための、「良い税金対策」についてまとめてみました。税金対策で絶対にやるべきでないのが、「節税のために経費を増やそう!」と考えること。無理に経費を増やすと、将来の会社の利益を減らすことに繋がります。
良い税金対策とは”会社の利益を守りつつ、将来の節税効果まで得られる”ものです。例えば、将来に向けて投資したり、保険類の見直しをしたりといったように。ぜひ、紹介したアイディアを参考に、税金対策で会社の利益を守ってください。